プロバイオティクスとプレバイオティクスの食品食材
人の腸内には無数の細菌が生息しています。
これらを総称して腸内フローラ（腸内細菌叢：ちょうないさいきんそう）と呼んでいます。
大部分の腸内細菌は、嫌気性菌と呼ばれ、酸素があると生存することができない細菌です。
以前は、腸内細菌の理想的な割合は善玉菌が20％、悪玉菌が10％、日和見菌（中間の菌）が70％といわれてきましたが、人によって理想の比率は異なるようです。
これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっているといわれています。
悪玉菌は、たんぱく質や脂質など欧米型の食事や睡眠不足やストレス、便秘などが原因で増えることがわかっています。
善玉菌の代表は、ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌などで、これらが優勢であれば、腸内環境は良い状態に保たれます。
善玉菌は、乳酸や酢酸などを産生することで、腸内を弱酸性の環境にし、悪玉菌の増殖を抑え、食中毒菌や病原菌による感染の予防、発がん性をもつ腐敗産物を抑える重要な働きをしていることが明らかになっています。
さらにに善玉菌には、腸内でビタミン群やニコチン酸・葉酸を生成して消化管の粘膜免疫を高めることも知られています。
血清コレステロールを低下させる作用も報告されています。
腸内の善玉菌の割合を増やす方法として、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」、「バイオジェニックス」の３種類が知られています。
プロバイオティクスとは
プロバイオティクスは、腸内フローラのバランスを改善することで有益な作用をもたらす細菌や酵母のことを指します。
具体的には、ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌などの生きた菌を含んでいる食品や飲料、機能性食品（サプリメント）などです。
プロバイオティクスの有益な作用
◎下痢や便秘を改善する。
◎腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす。
◎腸内の感染を予防して免疫力を回復させる。
プロバイオティクスの食品
発酵食品の大部分がプロバイオティクスの食品といえます。
酪農乳酸菌
BB536菌、ガセリ菌SP株、ビフィズス菌SP株、LB81乳酸菌、乳酸菌シロタ株、LGG乳酸菌、ビフィズス菌LKM512、プラズマ乳酸菌、ビフィズス菌BiFiX、フェカリス乳酸菌、L-55乳酸菌などの乳酸菌
植物由来の乳酸菌
納豆、味噌、ぬか漬け、キムチなど。
プレバイオティクスとは
プレバイオティクスは、プロバイオティクスの働きを助ける細菌の事です。
大腸に生息している善玉菌の増殖を促進し、逆に悪玉菌の増殖を抑える働きをします。
プロバイオティクスが生きた菌であるのに対し、プレバイオティクスは、食品の成分のことです。
腸内で消化されにくい難消化性の食品成分で、オリゴ糖類や食物繊維などがその代表的なものです。
プレバイオティクスの有益な作用
◎ミネラル分の吸収促進。
◎炎症性腸疾患への予防・改善。
◎プロバイオティクスのエサとなり乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌の増殖促進作用。
プレバイオティクスの食品
オリゴ糖、ラクトフェリン、食物繊維などです。
食品やサプリメントで摂取するれば、この「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」は共に善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを整えます。
一緒に摂取すれば健康と美容に効果的といえます。
プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取する事を「シンバイオティクス」と呼んでいます。
バイオジェニックス
バイオジェニックスとは、生活習慣病や老化を防止する食品のことで、コレステロールや血糖値や血圧を下げて、活性酸素を減らし、免疫機能を向上させる食品のことを指します。
プロバイオティクスが生きた菌であるのに対し、バイオジェニックスはエンテロコッカス・フェカリス菌EC-12株などの死菌なども含みます。
これらの死菌は、腸内環境を整えて免疫力を向上する効果が高いことで知られています。
バイオジェニックスの食品
主に青魚に含まれるＤＨＡ、ＥＰＡ、レシチン、キチンキトサン、フェカリス菌（EF-23、FK-23、EC-12）などの菌株です。
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