腸内フローラ辞典

慢性炎症を予防改善する食べ物

 
慢性炎症を予防改善する食べ物 
 
最近の研究で体に生じる慢性炎症が老化に深く関係していることがわかってきました。
 
慢性炎症が老化をすすめ、寿命に影響を及ぼすことがわかってきました。センテナリアンと呼ばれる百寿者は慢性炎症が少ないことが解明されています。
 
では、慢性炎症とはどの様な状態を指すのでしょうか?
 
皆様は生活習慣病をご存知てすよね。食習慣や運動習慣、飲酒や喫煙などの生活の習慣が原因になって発症する2型糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満などが代表的です。
 
これらの疾患は細胞や血管が炎症を起こすことが知られていますが、これらの疾患は長期に及ぶため慢性炎症の原因になります。
 
この慢性炎症の原因のひとつになっているのが腸内の環境なのです。

 

 

 

健康のカギを握る腸内環境

 

腸は体全体の免疫の約7割を担っているといわれる臓器です。
 
口→胃→腸→肛門腸は内なる外(例えると、ちくわの内側)といわれている通り、口から入った食べ物は胃で消化され栄養素は主に腸から吸収されます。
 
体に害を与える異物や侵入した細菌を殺菌除去する重要な臓器なのです。
 
最新の次世代シーケンサーの開発で腸内には数千種類以上、数百兆個の腸内細菌が生息している事が解明され、腸内細菌は人が食べた食べ物を代謝して様々な物質を生成して人体に様々な影響を及ぼしていることがわかってきました。
 
人体に与える作用を基準にして有益な栄養素を生成する善玉菌、有害物質を生成する悪玉菌、そして中間的な日和見菌の3種類に大きく分類されています。
 
腸内で起こった異変によって産生された有害物質が血中に入り込んで全身に流れるため血管や臓器に炎症を起こし、長引くことで慢性炎症になり様々な疾患を引き起こす事がわかってきました。
 
例えば、すい臓の慢性炎症が長期化するとインスリンの分泌が減少して糖尿病につながる可能性があります。
 
一度慢性炎症を起こした臓器はもとに戻らないといわれています。

 

 
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腸内で起こる慢性炎症

 

腸内で起こる慢性炎症 

 

悪玉菌が生成する有害物質はアンモニアや硫化水素、インドール、 スカトール等ですが、腸の免疫システムがこれらを異物と認識して排除しようとする過程で炎症が起こります。
 
腸内環境が悪い人は「オナラ」や「排便」が臭いので自己診断ができます。ご家族の方から「あなたがトイレに入った後は特に臭い」といわれる方は腸内環境が悪化してる可能性があり慢性炎症を起こすリスクが高いと考えられます。
 
このようにして腸で起こる炎症はとても弱いもので痛みを感じることはありませんが、この炎症が長引いて慢性化すると細胞は破壊されてしまいます。
 
腸の粘液層が破壊されるとリーキーガット症候群といって腸壁に穴が開いて細菌や有毒物質が腸壁から漏れ出して慢性炎症が広がり老化を促進させます。
 
一つの例ですが、多量の飲酒が続くと肝臓に炎症を起こします。
 
多量の飲酒で腸内に悪玉菌のグラム陰性菌が増加します。有害菌なので腸の免疫システムが働いて肝臓にグラム陰性菌を運んで解毒しようします。
 
ところが、女性では女性ホルモンが過剰に危険信号を発するため肝臓も過剰に殺菌作用が働き肝臓に負担がかかり過ぎてアルコール性の肝炎を発症する確率が高まることがわかっています。
 
女性が男性よりもアルコール肝炎を引き起こしやすいのはこのためです。 

 

 
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腸内の毒素が増える原因

 

腸内の毒素が増える原因 

 

加齢に伴う腸の老化と食事のバランスの悪さが影響していると考えられます。
 
加齢と共に腸内細菌のバランスが崩れ、ウエルシュ菌などの悪玉菌が増加して腸内で様々な有毒物質が産生されます。
 
また、欧米化した高脂肪、高たんぱくの食事は腸内で悪玉菌のエサになるため有毒物質を産み出します。
 
脂肪の消化に使われる一次胆汁酸が腸に流れ込むと悪玉菌の腸内細菌に代謝されて二次胆汁酸に変質して大腸に炎症を起こし大腸がんに発展する可能性が指摘されています。
 
更に老化と共に腸壁を構成する粘膜成分が減少して外敵が侵入しやすくなり免疫細胞の働きも低下していきます。

 

 
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血管の老化は腸にも影響

 

人は血管と共に老いるといわれていますが、血中に糖質や塩分、脂質が増えることで血圧が上昇して血管を傷つけて動脈硬化につながります。
 
血液は白血球をはじめとした免役細胞が集まっているため血液が異常になるとその影響を多く受けて腸の免疫システムも低下して老化しやすくなります。

 

慢性炎症を予防する食品

 

こののように慢性炎症の大きな原因のひとつが腸内の環境です。
 
私たちは、食べ物を摂取することでミトコンドリアに活動エネルギーを産生してもらっていますが、同時にこの過程で炎症の原因となる活性酸素も発生します。
 
食べなければエネルギー源を得ることができず、食べると炎症のもとになる活性酸素を発生させてしまう、いわばトレードオフの関係ともいえます。
 
いずれにしても生きていくには食べなければなりません。
 
大切なのは、@日々食べ過ぎず、A食べる物を選択し、B生活習慣を整える、ことで活性酸素の発生を極力最小限に抑えることで腸内環境を改善することもできます。
 
腸内に毒素を生み出さないことを意識して慢性炎症を予防しましょう。
 
腸内環境を改善する次のサイトを参考にしてください。

 

腸内フローラを整え改善させる食品食材

 

慢性炎症を抑える食物と生活習慣も参考にしてください。

 

慢性炎症を抑える食物と生活習慣 

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