腸内フローラ辞典

便秘の種類、タイプ

 

便秘の種類、タイプ 

 

便秘には数種類のタイプがあります。

 

便秘の定義はその人の感じ方もあるので難しい部分もあります。

 

通常は、便秘は「排便が順調ではない」「なかなか便がスムーズに出ない」「苦しい」といった自覚症状がある状態とされています。

 

特に女性に多い便秘が「痙攣性便秘」と「弛緩性便秘」です。

 

【便秘のタイプ】

 

腸の機能低下などで起こる機能性便秘

 

痙攣性の便秘の原因は、ストレスなどで腸が痙攣性の収縮運動をするため、腸管の内容物がスムーズに通過できなくなって固まり便秘になります。

 

うんちの特徴として、丸い小さなコロコロとしたヤギやウサギのフンのような形状となります。

 

弛緩性便秘

 

生活習慣に起因する便秘で、特に運動不足や食物繊維をとらない食生活などで大腸全体の動きが悪くて便秘になります。

太くて固い便の場合が多いため痔などを併発するケースもあります。

 

器質的便秘

 

大腸がんやポリープ、そして女性の場合は子宮筋腫が大きくなる等の病気の原因で便の通りが悪くなりおこります。

 

国民調査によれば、全国で800万人〜1000万人が便秘の症状を持つとされていて、中には便秘のため社会生活に支障をきたしている人もいます。

 

年齢別にみると20代や40代の女性に多く、70歳以上の男女に便秘が多いようです。

 

若い人に便秘が多いのは欧米化した食文化が普及し食物繊維の食品の摂取が少なくなっていることがあげられます。

 

高齢者は老化により、内臓器官の働きが弱くなっていると考えられます。

 

 

 

便秘のメカニズム

 

便秘のメカニズム 

 

便秘はどのようにして起きるのでしょうか。

 

便秘のメカニズムを知っておきましょう。

 

口から食物が入ると食道を通って胃に入りますが、その後脳より消化した内容物を胃から腸へと送るように信号が出されます。

 

それにより腸はぜん動運動を始め内容物を直腸から肛門へ押し出して排便を促すことを結腸反射といいます。

 

しかし、忙しい等の理由で便意を我慢し続けると、結腸反射の働きが鈍くなり便意が起こらなくなって便秘の原因となります。

 

また、食事が少量だったり、食物繊維が不足などで腸管に刺激が起こりにくくなって便意が起こらない原因となります。

 

更に、生活習慣が不規則になり自律神経が不調となってぜん動運動が起きにくくなり便秘となります。

 

便秘を改善するには食生活や生活習慣の改善が大切です。

 

具体的には意識して時間的な余裕を作り毎日トイレに行く習慣や便意を催した時にはすぐにトイレに行く習慣をつける。

 

食事では食物繊維が豊富である野菜や海草類、キノコ類などの摂取に心がけることが大切です。

 

毎日、ウォーキングなどの軽度な運動を習慣化することなどを実践していきましょう。

 

 
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西洋医薬の便秘薬(下剤)の種類

 

西洋医薬の便秘薬(下剤)の種類

 

 

便秘がなかなか改善しない場合には、便秘薬を一時的に使用しましょう。

 

ただし、便秘薬も個人差がありお腹が張ったり、刺激が強すぎてお腹が痛くなる等の副作用がでる場合もあるので注意が必要です。

 

また常習にならないように注意しましょう。

 

【便秘薬の種類 】

 

刺激性下剤

 

このタイプの便秘薬は、腸管を刺激してぜん動運動を促進させて便を送り出す作用をするのが大腸刺激性下剤です。

 

刺激性下剤の便秘薬ですので腹痛を起こすことがあります。

 

欠点は、常用すると効かなくなる可能性があります。

 

また、小腸に刺激を与えて便通を促進するのが小腸刺激性下剤です。

 

古くから下剤として用いらいる「ひまし油」が同様の働きをします。

 

機能性下剤

 

薬の浸透圧により腸内の水分量を増やすことで、便を液状化させて排出させるタイプの薬で塩類下剤です。

 

また便に水分を吸収させることで便の量を増やして、柔らかくして便を排出させるのが膨脹性下剤でお腹が張ることがあります。

 

浣腸剤、坐剤

 
 浣腸剤は、肛門からグリセリンを入れて直腸を刺激することで排便させます。

 

一方、坐剤は肛門から挿入して、薬剤の作用で炭酸ガスを発生させ腸管の動きを活発にさせます。

 

一般に薬局などで販売されている薬は、「大腸刺激性下剤」が殆どですが、女性の中には下剤の乱用によって、便秘の症状が悪化するケースもあり問題となっています。

 

 
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漢方医学で診る便秘

 

漢方医学で診る便秘 

 

 

漢方での便秘は、生命を維持する基本である 「気(生命エネルギー)・血(血液)・水(体液)」のなかの「水(体液)」の流れが悪くなり、バランスが崩れているということです。

 

生活習慣やストレスや緊張で「気」、「血」、「水」の異常によって起こると考えられています。

 

便秘だけの症状ならば西洋医学的な「下剤」のような一時的な使い方をしますが、便秘以外の症状を伴う場合には、体質改善をしながらお通じを整える使い方をします。

 

便秘でよく用いられる漢方薬として大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)があります。

 

「漢方」の便秘薬の殆どに、大黄甘草湯が配合されています。大黄甘草湯は体力のある人に用いられます。

 

虚弱体質の人には桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)が用いられます。

 

また、腸の働きが弱くなって起こる機能性便秘は、ウサギのフンのようにコロコロした便となりますが、これは漢方では「水」の不足で起こると考えられています。

 

そこで潤いを与えるために麻子仁丸(ましにんがん)や潤腸湯(じゅんちょうとう)が効果があるとされています。

 

漢方薬も便秘の症状により処方を決めることになります。

 

以下に便秘の治療に用いられる主な漢方薬を挙げてみます。

 

・大黄甘草湯⇒殆どの便秘用の漢方薬に配合

 

・麻子仁丸・潤腸湯⇒ヤギやウサギのフンのような便

 

・桂枝加芍薬大黄湯⇒虚弱体質の人に

 

・柴胡加竜骨牡蛎湯⇒ストレスなど気の異常がある人の便秘に

 

・桂枝加芍薬湯・小建中湯⇒腸管の蠕動運動機能を回復させる

 

・桃核承気湯⇒お血症状の便秘に

 

・柴胡加竜骨牡蛎湯⇒精神症状を伴う便秘に

 

・桃核承気湯⇒月経不順を伴う場合

 

・大柴胡湯⇒便秘が原因の肩こりや腹部の張りに

 

・大柴胡湯⇒肩こりや腹部の張りを伴う便秘に

 

漢方では、診察に「四診」と呼ばれる方法があります。

 

胃腸の具合や月経の状態、日常生活のことなど、便秘とはあまり関係ないように思われることを問診で聞き取り、触診といってお腹を触ったり、舌診といい舌の状態や色を診て判断、脈診問いって脈を診ます。

 

これは、漢方を処方するために、個人個人の症状や状態そして体質などを診断して、その人に合った漢方薬を処方するための重要な手順なのです。

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